EFFISAYIL™2試験において、スペソリマブが膿疱性乾癬の急性症状の再発を予防

和訳リリース,
  • スペソリマブは、最長48週間にわたり、膿疱性乾癬(GPP)の急性症状の再発の予防において、プラセボに対する優越性を示す1
  • 予測不能な急性症状の再発の予防は、患者の高いアンメットニーズに応える2,3
  • この結果は、GPPの急性症状を呈する患者にスペソリマブを投与し、膿疱および皮膚症状の速やかかつ持続的な改善が認められたEFFISAYIL™ 1試験の結果を支持2

報道関係者向け情報
このホームページでは、国内の報道関係者の方々を対象に、ベーリンガーインゲルハイムジャパングループ各社の情報ならびに関連情報をご提供しています。一般の方に対する情報提供を目的としたものではありませんのでご了承ください。

当プレスリリースについて
この資料は、ドイツのベーリンガーインゲルハイム(Boehringer Ingelheim GmbH)が7月4日に発表したプレスリリースをもとに日本語に翻訳したものです。なお、日本の法規制などの観点から一部、削除、改変または追記している部分があります。この資料の内容および解釈については英語のオリジナルが優先することをご了承ください。

2023年7月4日 ドイツ/インゲルハイム
べーリンガーインゲルハイムは、第25回世界皮膚科学会(WCD)にて、EFFISAYIL 2試験の最新データを発表しました。123名のGPP患者が参加したこの試験の高用量群において、スペソリマブが48週間にわたり、GPPの急性症状の再発リスクをプラセボと比較して有意に84%低減することが明らかになりました。さらに、投与から4週時以降、急性症状は報告されませんでした1

イエール大学医学部皮膚科学臨床教授のBruce Strober博士は次のように述べています。「EFFISAYIL 2試験は、GPPの急性症状の再発を予防するための治療薬を評価する最初の、かつ大規模な国際共同無作為化臨床試験です。この結果は、GPPの発症機序におけるIL-36シグナル伝達が果たす役割について、さらに説得力のある臨床的エビデンスとなるものです。将来的には、皮膚科医がGPPの急性症状に対する治療薬を手にするだけでなく、この病気を効果的に予防できるようになることを期待しています。」

GPPの急性症状は、痛みを伴う膿疱が全身に表れ、救急医療が必要になることが多く、敗血症、ショック、多臓器不全など、命に関わる重篤な合併症につながる場合もあります3。また、緊急対応が必要となる症状がなかったとしても、急性症状がいつ再発するか分からない状態で生活することは、患者さんにとって大きな精神的負担となります4

国際乾癬患者会連盟(IFPA)エグゼクティブディレクターのFrida Dunger Johnsson氏は、次のように述べています。「IFPAでは、GPP患者さんと向き合い、この病気の症状による身体的苦痛や、急性症状に伴う精神的負担の声に耳を傾けています。この病気の負担を軽減するために私たちが進めているあらゆることは、GPP患者さんのクオリティオブライフの向上につながります」

ベーリンガーインゲルハイムのヒューマンファーマビジネスユニット担当取締役のカリン・ブルヨンは、次のように述べています。「私たちは、包括的なEFFISAYIL臨床プログラムを通じて、GPP患者さんの急性症状に対する大きな成果であるスペソリマブを、すでに提供しています。EFFISAYIL 2試験の結果はこの成功に基づいており、すべてのGPP患者さんのために、最終目標である急性症状の再発がない状態を目指して取り組んでいます」

スペソリマブはこの度、GPPの急性症状の再発の予防のための開発中の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)および中国国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センター(CDE)より、ブレークスルーセラピー指定(BTD)を受けました。

EFFISAYIL 2試験において、スペソリマブは、良好な安全性プロファイルを示し、有害事象の発生率は、スペソリマブ群とプラセボ群で大きな差異はありませんでした1

スペソリマブについて
スペソリマブは、GPPを含む複数の自己炎症性疾患の病因に関連することが明らかになっている免疫系のシグナル伝達経路であるインターロイキン36受容体(IL-36R)の作用を特異的に阻害する新規ヒト化選択的抗体です2,5,6

本剤は、検出力のある無作為化プラセボ対照試験で、成人のGPP患者の急性症状に対する治療薬として効果が検証された初の承認薬です2。現在、スペソリマブは、米国、日本、中国本土、欧州連合(EU)を含む約40カ国において、成人におけるGPPの急性症状に対する治療薬として規制当局の承認を取得しています7,8

スペソリマブは、他のIL-36が病態に関わる皮膚疾患の治療薬としても、研究が進められています9

EFFISAYIL臨床試験プログラムについて
EFFISAYIL臨床試験プログラムは、最大規模の、かつ幅広いGPP患者を対象に、IL-36経路を特異的に標的として治療薬の評価を行ったプログラムです2,10,11

  • EFFISAYIL1試験:スペソリマブの単回の静脈内投与により、急性期のGPP患者における膿疱および皮膚症状の速やかな改善が示された第2相臨床試験です。この効果は、最大2回のスペソリマブ投与により、12週間持続しました2。この結果は、主要市場で、成人におけるGPPの急性症状に対する初の治療薬としてスペソリマブが承認される際の裏付けとなりました2,6,8
  • EFFISAYIL2試験:スペソリマブがGPPの急性症状の再発を効果的に予防し、高用量群では最長48週間にわたり急性症状のリスクを有意に低減し、さらに投与後4週以降に急性症状の発現は報告されなかったことが示された第2b相臨床試験です1
  • EFFISAYILON試験:以前にスペソリマブの試験を完了したGPP患者において、スペソリマブの長期的な安全性と有効性を評価する非盲検長期投与試験です11

膿疱性乾癬(GPP)について
GPPは、生命を脅かすおそれのある希少かつ慢性の予測不能な全身性好中球性皮膚疾患であり、尋常性乾癬とは遺伝的、臨床的に区別されます4,11。 GPPは、好中球(白血球の一種)が皮膚に集積することによって引き起こされ、痛みを伴う無菌性膿疱が全身に多発します5,12。臨床経過には幅があり、急性症状の再発を繰り返す患者さんもいれば、症状が遷延して断続的に急性期が起こる患者さんもいます5,12。 GPPの急性症状の重症度は人によって異なりますが、治療せずに放置すると入院につながり、敗血症や多臓器不全などを引き起こし、場合によっては命にかかわります12。 この全身性疾患は、患者さんのクオリティオブライフに重大な影響を及ぼし、医療にとって大きな負担となります13。疫学的データは地域によって異なりますが、推定有病率は10万人に0.18~12.4人であり、男性よりも女性の方が高い傾向にあります14。 良好な安全性プロファイルを持ち、GPPの急性症状の再発を予防する治療薬に対する高いアンメットニーズが存在します2,3

ベーリンガーインゲルハイムについて
ベーリンガーインゲルハイムは、世代を超えて生活を変革する画期的な医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。研究開発主導型のバイオ製薬企業のリーディンクカンパニーとして、アンメットメディカルニーズの高い分野において、イノベーションによる価値の創出を目指しています。 1885年の創立以来、ベーリンガーインゲルハイムは、株式を公開しない独立した企業形態により長期的かつサステナブルな視点を維持しています。ヒト用医療用医薬品とアニマルヘルスの2つの事業分野において、53,000人以上の社員が世界130ヵ国以上で事業を展開しています。

詳細は、下記をご参照ください。
https://www.boehringer-ingelheim.com/
(ベーリンガーインゲルハイム)
https://www.boehringer-ingelheim.com/jp/
(ベーリンガーインゲルハイム ジャパン)
https://annualreport.boehringer-ingelheim.com/2022/
(アニュアルレポート 英語)

References

  1. Lebwohl M et al. Spesolimab for the prevention of generalized pustular psoriasis (GPP) flares: Results from the randomized, placebo-controlled trial Effisayil 2. Abstract presented at the 25th World Congress of Dermatology July 2023, Singapore.
  2. Bachelez H et al. Trial of spesolimab for generalized pustular psoriasis. NEJM. 2021;385:2431–2440.
  3. Puig L et al. Generalized pustular psoriasis: a global Delphi consensus on clinical course, diagnosis, treatment goals, and disease management. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023;37:737–752.
  4. Reisner DV, et al. Impact of Generalized Pustular Psoriasis from the Perspective of People Living with the Condition: Results of an Online Survey. Am J Clin Dermatol. 2022 Jan;23(Suppl 1):65-71.
  5. Crowley JJ, et al. A brief guide to pustular psoriasis for primary care providers, Postgraduate Medicine. 2021;133:330–344.
  6. Furue K, et al. Highlighting interleukin-36 signaling in plaque psoriasis and pustular psoriasis. Acta Derm Venereol. 2018;98:5–13.
  7. Federal Drug Administration. New drug approvals for 2022. Available at: https://www.fda.gov/drugs/new-drugs-fda-cders-new-molecular-entities-and-new-therapeutic-biological-products/novel-drug-approvals-2022. Accessed June 2023.
  8. EC approval statement (data on file).
  9. A study to test whether spesolimab helps people with a skin disease called hidradenitis suppurativa. Available at:https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04762277. Accessed June 2023.
  10. A study to test whether BI 655130 (spesolimab) prevents flare-ups in patients with generalized pustular psoriasis. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT04399837?term=Boehringer. Accessed June 2023.
  11. Effisayil ON: An open-label, long term extension study to assess the safety and efficacy of spesolimab treatment in patients with generalized pustular psoriasis (GPP). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03886246?term=Effisayil&draw=2&rank=1. Accessed June 2023.
  12. Navarini AA, et al. European consensus statement on phenotypes of pustular psoriasis. JEADV. 2017;31:1792–1799.
  13. Hanna M, et al. Economic burden of generalized pustular psoriasis and palmoplantar pustulosis in the United States. Curr Med Res Opin. 2021. 37(5):735–742.
  14. Prinz JC, et al. Prevalence, comorbidities and mortality of generalized pustular psoriasis: A literature review. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2023 Feb;37(2):256-273.

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