Chapter_IV 日本近代医学の父

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1880年の東京大学医学部
卒業生(帽子姿がベルツ)


医学研究と教育に貢献

自らの論文の中で「人間のための科学であって、科学のための人間ではない」と主張するほど、ベルツは科学主義に陥ることなく医学や教育に取り組みました。
その取り組みは生理学や精神医学から内科、寄生虫症、感染症の分野まで及び、さらには医学分野にとどまらず人類学においても研究・出版を行いました。また日本の温泉治療や武道を取り入れることも推進し、日本のみならず医学界に幅広く貢献することとなりました。

 

 

皇室付の侍医、森鴎外の師として

日本近代医学の父として知られるようになったベルツは、診療においても高い信頼を得ていました。数多くの患者が「ベルツを神のように慕い」という記録が残り、さらには皇太子時代の大正天皇の侍医を務め、そのほかにも皇族・華族・重臣顕官を診察するほどの信頼を得ていました。
ベルツは在職二十五年記念会の後に、教え子であり卒業後にも交流のあった森鴎外に講演の別刷りを送付。鴎外は下線を引きつつベルツの講演を読み、西洋医学の理念や精神文化も吸収していきました。ベルツは日本の近代医学に不可欠な存在となりました。

出典:『ベルツ博士と日本の医学』永井 良三著

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